週末ガッチリ遊んだところで試験の反省をしてみようと思います。今回の試験は長いキャリアから見れば本当に些細なことですが、今の私にとっては大きなチャレンジでした。そこから学ぶことは今後の研究の方針を決める大きな糧になりました。
今回の試験では20世紀全体のアートを俯瞰するという目標を立て、おぼろげながらその実態が見えてきた感はあります。ただ、実際の試験を通して分かったのは特定の作品を歴史の中に脈絡化する力がまだまだ弱いということです。作品や作家に関する知識はあったと思いますが、作品がどう世相を反映しているのか、ということを深く論じることができなかったと思います。例えば試験にだされたHans Haackeの彫刻も、側面に書いてある”Granada”という文字からアメリカの中米への内政干渉を批判する作品であることを推測できなければならなかったのですが、グラナダ侵略についての知識自体がなかった私には造形の分析や作品をとりまく講和についての話しかできませんでした。政治や社会とアートの結びつきに興味がある学生としては失格ですね。今後は作品を観る時に時代背景を丁寧に調べてもっと大きな枠組みで作品を考える癖をつけるようにしたいと思います。(何かに着手した時にそこに集中するあまりそれ以外のことを見られなくなってしまう癖のネガティブな部分がこういう時にでるんですね。自分を知ることは大切です。。。)
もうひとつはやはり話す力の弱さです。これは単純に語学の問題ではなく、考えのプロセスをきちんと整理できていない為に理論的に話すことが出来ていないのだと思います。せっかちで慌て者ゆえたくさんの考えをすばやくまとめようとして混乱してしまうのかも。。。効果的なプレゼンテーションの方法についてもっと勉強しなければと思いました。練習を重ねて学んでいくことが一番効果的だと思うので、来セメスターからは学校で教えたり美術館でのレクチャー等話すことに重点を置いた活動を何か始めてみようと思います。
まだまだ試験の内容については思うところがたくさんあるのですが、おおまかな反省点は以上でしょうか。今回の試験では学術的な面での収穫もさることながら、上にも書いたように自分を知ることの大切さを実感できたことが良かったと思います。特に自己管理の点に於いて、どれくらいの睡眠をとれば一番効率よく勉強できるのか、ストレスの溜まってきたサインは何か、など自分の心や体の声に耳を傾けることで自分をいつもベストな状態に保つという努力はとても大切だと思います。辛いのはスランプ時(私の場合は9月後半から10月にかけてでした)ですが、そういう時もなるべく焦らず自分のニーズに出来る範囲で答えることで打開できるものと思います。
そして、学術的な知識、緻密な自己管理のコツと同じくらい大きな収穫だったのは、自分が素晴らしい友人と家族に恵まれていることを改めて実感できたことです。自分ひとりで勉強を進められる楽しさもありますが、やはり一人では見方も偏りますし、精神的なサポートも大切です。今回は本当に色々な友人に助けてもらいました。リーディングについて一緒に話し合ってくれたJoonや、模擬試験をしてくれたMさん、Hyewon、Nさん、お互いに作品を見せて話す練習をしたRoseに、自分の試験を控えながらも私にラテンアメリカンアートのレクチャーをしてくれたMaya, 前日にアドバイスをくれたMitra、試験前に激励のメールをくれたJeehey、Sさん、控えめながら要所要所でフォローをしてくれたM。日本にいる友達に助けられたこともたくさん。それに試験直前の極度の緊張状態の私を励ましてくれた両親には本当に頭が上がりません。この年になって両親に励ましてもらうというのも情けないのですが、実際彼らの言葉は大きな力になりました。友人と家族に恵まれれば人生の大方は幸せと思っている私には皆のサポートはとても嬉しい試験の副産物でした。
来年もがんばるぞー。